「受け口」っていつ、どうやって治す?
1年以内に効果、9割改善
対象年齢は3~6歳
ムーシールド
当院では、反対咬合の早期治療をおすすめしています。
ムーシールドという
反対咬合用オーラルシールドを
使用します。
マウスピースで治療
装着は寝ている間だけ
受け口を治す子供用マウスピース。
ムーシールドには
3つの機能があります。
下の歯が前に出ていると、
咬み合わせがうまく合わなくて食べ物をしっかりとかみ砕くことが難しくなり、
下の歯の寿命が短くなる場合もあります。
息が漏れて発音がうまくできないこともあります。
厚生労働省の調査によれば、
3歳児健診で年間4~5万人(4~5%)が
反対咬合(受け口)に該当することが判明しています。
歯科を受診すると
「永久歯が生えそろうまで様子を見ましょう」
と言われることが多いですが、自然治癒する割合は10%にも達しません。
従来は頭にベルトを巻いて下あごを押さえつける
「チンキャップ療法」などが試みられましたが
お子様への負担が大きく現在ではあまり使われなくなりました。
最近注目されているのが、
幼児のうちに改善させる「ムーシールド」による治療法です。
お子様が寝ている間に、口に特殊なマウスピースを装着する方法です。
受け口(反対咬合)は舌の位置が通常よりも低いので、
舌によって下あごを前に出すように筋肉の力が働きます。
マウスピースを装着することにより、
舌の位置を正常な上の位置まで誘導し、
また口の周りの筋肉の働きを正常化して上あごの成長を促進し、
下あごの成長を抑制します。
「ムーシールド」による治療法は
日本大学講師で
「調布矯正歯科クリニック」院長の柳沢宗光さんが考案し、
20年以上のデータが蓄積されています。
開発者の柳沢宗光先生とムーシールド学会にて。
受け口の原因は2種類
1. 歯のかみ合わせだけが逆
歯列矯正治療で対応
2. 骨格性の異常
顎形成手術と術前と術後の歯列矯正が必要
骨格性の異常であることが診断された場合には、
レントゲン写真や歯型などの分析結果をもとに
顎変形症の手術法を選択します。
顎変形症の手術は入院期間が2~3週間で
病院の口腔外科医や顎顔面矯正外科の専門医と
矯正歯科専門医が連携して担当します。
手術前後に2年間程度の矯正治療が必要です。
この手術と矯正治療を合わせて顎変形症の外科的矯正法といいます。
手術は成長期の終わった18~20歳以降に行います。
受け口(下顎前突)などの顎変形症の方や歯列不正の方は、
うまく話せないとか、食事が食べにくいとか、人前で歯を出して笑えない、
歯を見せて笑っている写真を撮りたくないなど、
心の悩みを持っている方が大変多いのが実際です。
当院に相談される方も最初はしょんぼりと肩を落として来院されます。
そのような方達に外科手術の説明をすると皆さん声を失うほど驚かれます。
それほど外科手術に対して抵抗があるということでしょう。
しかし勇気を振り絞って外科手術を受け、顔貌や容姿が変わると、
性格がまるっきり変わり、明るく快活になります。
特に女性にとっては人生が180度変わるほど衝撃的なことです。
外科的矯正法によって成人になってからも治療は可能ですが、
その負担は大変なものです。
幼児期にできるだけ対応しておくことが肝要です。
反対咬合って、自然に治るでしょう?
永久歯が生える時、
自然に治ることがあります。
ただし、かなり少数例です。
反対になっている下の前歯が、5~6本。
逆の噛み合わせが深い。
近親に反対咬合の人がいる。
これらの場合、自然に治る可能性は、
極めて少ないと考えて良いでしょう。
永久歯がはえるまで、
様子見を勧められましたけど?
「・・・大丈夫ですか?」
というご質問を、よく戴きます。
自然に治る場合もあります。
しかし、それはかなり少数です。
ご相談できる歯医者に診て貰い、
セカンドオピニオン(意見)を求める事を、お勧めします。
私たちは、大半の方に、早期初期治療が必要と考えています。
反対咬合、治した方が良いの?
不正咬合であるから、成長発育が遅れるという事は、
基本的にありません。
しかし、サ行、タ行の発育に、特徴的な舌足らずのしゃべり方になる。
食べ方が、ワニの様だ。
という様な特徴が現れることがあります。
しゃべり方にも、食べ方にも問題が現れます。
しかし、私たちが、治療を勧める第一の理由は、審美的な理由です。
反対咬合特有の顔貌に、劣等感を感じることがあります。
心の負担を軽くし、生活の質の向上が目標です。
早く治した方が良いの?
噛み合わせを逆のままにしておくと、
下顎骨が過成長しやすい状態が続きます。
下顎骨が取り返しのつかない程、大きくなってしまう前に、
逆の噛み合わせは治しておくべきです。
早ければ早いほど、ご本人の負担は軽くて済むと思います。
年齢が高くなると治療法の選択肢が狭くなります。
過成長し、大きくなってしまった「下顎骨を切断して縮める」
という手術法も選択肢にあがってきます。
どうして反対咬合になるの?
口には、多くの筋肉が整然と並び、機能しています。
舌は、代表的な筋肉の固まりです。
きれいな歯並びの人の舌は、嚥下(のみこむ)するときに
上顎を押さえつけるようにぴったりと収まります。
しかし、反対咬合の人は、上顎にはつきません。
嚥下の都度、舌は下顎を前方に押します。
従って、上顎は小さく、下顎は大きくなってしまうと考えられています。
すなわち、口腔周囲の筋肉が正しく機能しないと
不正咬合になるということです。
どうやって治すの?
筋機能のアンバランスが、不正咬合をつくります。
バランスを整え、調和を取り戻せば、不正咬合は回復します。
反対咬合の原因の一つは、舌が低い位置で機能していることです。
ですから、治療目標が、まず、舌を挙上してあげることです。
そのように、バランスを取り戻す器具が、
機能的顎矯正装置「ムーシールド」です。
就寝中使用します。
取り外しできる器具ですから、上手く使えなかったり、
諸条件によっては、期待する効果が得られないこともあります。
主治医に充分相談の上、ムーシールドを使うことをお勧め致します。
一度治したら、もう大丈夫?
ムーシールド治療法は、大抵の場合、およそ1年間を目標に治療します。
一度治したら、「もう大丈夫」という人が大半です。
しかし、成長がスパートすること再治療を必要とする場合があります。
定期健診は重要です。
女子は15~16才。男子は17~18才まで成長します。
その頃まで、定期健診を続けることが理想です。
反対咬合は遺伝する?
反対咬合は、遺伝します。顔形はご両親に似ます。
残念ながら、反対咬合の家系があります。
しかし、早めに対処することで、
かなり改善することができると考えています。
いずれにせよ、遺伝のあるなしに関わらず、
早めに受診することをお勧めします。
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法律監修:原法律事務所